※ ネタバレ含みます
流浪の月映画

2020年に本屋大賞を受賞した流浪の月が、2022年5月13日公開されました。
私自身、原作をコロナ期間に読んでおり深い作品だなと同時に映画難しくない?って思いながら読破しました。
流浪の月ってそもそも何?
軽いあらすじをご紹介します
大学生の佐伯文は、ある雨の夕方、公園でびしょ濡れの少女・更紗に傘をさしかける。しかし、伯母の家に帰りたがらない彼女を2カ月間部屋に入れて過ごした彼は、誘拐の容疑で逮捕されてしまう。15年後、ふたりは“加害者”と“誘拐被害女児”として再会し……
by: 映画ナタリーより「流浪の月 あらすじ」https://natalie.mu/eiga/film/187672
ロリコンの大学生が少女を誘拐し、一緒に生活をともにすることになるというかんじです。
このまんまなのですが、どちらかというとあらすじをこんな端的に紹介できるほど簡単ではないかなと思います。
率直な映画の感想
- とても解釈が難しい 自由vs世間の対立? マイノリティ的思考? 誰が正しい?
- 俳優の演技が完璧 息づかい しぐさ 咀嚼音
- カメラロールがすごい 映画への没入感
この3つですね。特に、原作でもそうなんですが、正しいことって何?自分はどっちなんだろうと思考してしまいます。
印象に残ったこと
映画はゆっくりと話しが展開していきます。未来と過去をいききするので、目が離せません笑
個人的には、趣里さんの配役がすごくゾワッとしました。
彼女は、広瀬すずさん演じる(大人になった更紗)のアルバイト先の良き相談役として、出てきます。
大人になった更紗が昔誘拐された少女であることや現在もその松坂桃李さん演じる(文)と会っていることは徐々に明らかになっていくのですが、
趣里さん演じる(安西:子持ちシングルマザー)さんはこのことをすでに知っているのではないかと思っています。
突然、安西は新しい旦那さんを探すといって、新しい彼氏?と旅行にいきます。
そこで更紗に安西の子供を預けるのですが、これが徐々に怖くなっていきます。
つまりどういうこと?
仮説1:安西は更紗が誘拐された少女であることを知っており、今もその誘拐犯(文)と接触していることも知っている
仮説2: 自分はシングルマザーなのに、あの子だけなんで結婚して昔のキモい男と今も付き合っているの?
アクション:自分の子供を更紗に預かってもらおう → 誘拐された少女という昔の構造ができる
なんて計画を立てているとしたら、この話の深みが更に嫉妬深いものになってきます。
人はみたいようにしか見てくれない
誘拐された少女とロリオタの大学生。
これを聞くとキモいとか変態とか感じると思います。
ですが、字面だけで本当に真相にはいきつかないもんですよね。
大学の教授曰く
自分が通っている大学の教授が以前行っていました。
歴史はたくさんある事情のうち集約された1つの部分にしかすぎない
by 異文化間コミュニケーションの教授曰く
他にいろいろな背景があったことを忘れないでほしい
本当にそうだなとこの映画を通して思いました。
学校の教科書なんて、本当の歴史を学んでいるのではなく誰かの解釈の一部にすぎないんだなと感じます。
結論:自己中心者の塊
更紗・文は結局自分自身が満たされる環境を選択します。これは傲慢なのかもなと思いつつも。
彼らの外側にいる利害関係者こそが自己中心的なやつが多いと感じます
- 15年前に誘拐された少女がまた誘拐犯と会うスクープを売りにする新聞会社
- 大企業に勤めて自分が家庭でも偉いと語っていて言いなりをつくりたい人
- 誘拐された少女がいるお店とレッテルをはられるのを阻止したい会社
あげればあげるほどきりがない
見るべきか
見るべきです!
監督もそうですし、役者さんの演技も力入っています。
邦画でもかなり深みがあると思います。原作の部分はカットされているところもありますけど
(これはしゃーない)
終わり
充実した150分でした。迷っている方・原作を読んでいない方も見る価値があると思います。上映後のモヤモヤした気分を味わってほしいです。
END
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