空もようやく秋色を帯びてまいりましたが、つつがなくみなさまいかがお過ごしでしょうか。
本の紹介記事初投稿会として今回は2021年本屋大賞2位のこの作品をお届けしたいと思います。
しみじみ良い話だなと思いました
きっかけ

動機:本屋大賞の本を上から順に読もうと思い、合わせて買ったのがきっかけです。
逆に言うと、この本を読みたい明確な動機はなく、読みました。
あらすじ
1章から5章にわかれていて、それぞれ別々のストーリー。20代~60代までの人生に迷っている人をそれぞれの章のメイン人物にして物語が進んでいく。
育児・起業・仕事・定年など人生の転換期にそれぞれ色んな悩みや不満が募る。そんな中、それぞれの章にでてくる主人公が、何かのきっかけに地域の図書館に立ち寄る。その図書館には不愛想ででかい司書(小町さゆり)が君臨しているのである。
司書はとても聞き上手で訪ねてきた人の悩みに対し、何かしら遠回りのヒントを提示する。
ヒントと言っても本をまとめたリストとちょっと意味不明な付録である。
本をまとめたリストの中には、訪問者が探している本が集まっているのだが、最後のひとつ何か方向性が異なる本が追加されているのである。
この本が主人公それぞれの人生を見つめ直すきっかけになる本になるのである。
※『ぐりとぐら』『英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ』などなど
この本の面白さ
司書の存在感に対しての表現が滑稽だなと感じた。
※「ベイマックス」とか「マシュマロマン」とか呼ばれている。
それに対する小町さゆりという人名。少女漫画にもでてきそうなメルヘンチックで純粋無垢な少女をイメージさせるかのような名前である。
あくまで推測だが、著者はクスッと笑えるような内容もいれたかったのかもしれない。
感想
正直、本屋大賞にノミネートされなければこの本には出合うことはなかった。
しかしながら、ちょうど今この本に出会えて良かったなと思っている。
世の中的に景気があまりよくない状況が続いている。思えば戦後の日本は就職することがゴールで、働ければ働くほど給与が上昇していた。賃金上昇に応じて、労働意欲も上がっていくし、そのお金で何かを購入したりする人が増えることで世の中の景気も底上げする。
一方、現在は以前とは異なる。某ウィルスの影響下で人との接触は半減し、働き方も変わってきた。Youtubeで稼いでいる人やフリーランスで生活している人もいる。
こんな状況下で、会社に就職することが人生のゴールになるのだろうかとつくづく思う。自分がやりたいことに向けての投資に励みつつ生活したほうが、生きがいややりがいを感じるのではないだろうか?
就職すること自体は素晴らしいことだと思う。安定とは言わなくても社会での経験は人生の糧になるはずだ。
だが、最低限度の生活をするのなら立派な企業に勤めなくてもいいのではないかと思う。地域の団体で人材を募集しているところもあるし、アルバイトやアウトソーシングで稼ぐ人もいる。
就職するだけが人生のゴールではないのかもしれないなと改めて思わせられた。
まとめ
働き方が変化している時代において、今までどおりの生き方は間違いかもしれない
人生の転換期にこそ、自分を振り返り何をしたいのかよく考えるべき
もしかしたら日常生活の中にヒントが隠されているかも
コメント